ゾンビワールドを様々な角度から考察するサイト


『ゾンビ特急“地獄”行き』


1972年公開(スペイン)
日本劇場未公開(2005年以降ビデオ販売)
監督 エウヘニオ・マルティン
出演 クリストファー・リー(サクストン教授)
   ピーター・カッシング(ウェルズ博士)
   テリー・サバラス(カザン隊長)

【あらすじ】

イギリスの人類学者サクストン教授が、満州で発見した原始生物の冷凍遺体を木箱に入れ、ヨーロッパへ移送する。移送中のシベリア横断特急の中で、解凍された生物により、乗客たちが次々と犠牲になる。同じ列車に乗っていた地質学会のウェルズ博士と共に、サクストンは生物が地球外生命体であることを発見する。乗客に乗り移った生命体は、人々を疑心暗鬼の状況に陥らせ・・・。

【感想】

古典ホラー俳優の巨匠、クリストファー・リーとピーター・カッシングに加え、刑事コジャックでお馴染みのテリー・サバラスが共演し、特定世代の人にとっては豪華なキャストである。邦題に“ゾンビ”と入っているが、原題は『HORROR EXPSSS』で、どちらかというとモンスターホラージャンルに入る。最後の最後で、死者蘇り系の描写があるので、古典名作として考察対象の映画としてチョイスした。
映画自体は、単なるモンスター系から、ジョン・W・キャンベル原作の「影が行く(Who Goes There)」(遊星からの物体Xの原作)を彷彿とさせる乗り移り・疑心暗鬼系へ、さらにゾンビパニックへと展開し、ホラーのフルコースという印象。
荷物係や蘇ったミイラが劇中でテーマ曲を口笛で吹くなど、007風の演出もある。さらに登場人物たちのセリフ回しが、まるで銀河英雄伝説のキャラたちの口上のようで、知性や様式美を感じて面白い。

【考察】

・宗教との関係
 古典作品では、宗教との密接な関係が描写される事が多いが、現代作品では宗教観との関係は薄く、ゾンビという危機が独立して描かれるようになってきた。疫病や伝染病がそうであるように、ゾンビもまた、宗旨宗派に関係なく襲い掛かってくる事を認識すべきである。ゾン教分離の世界である。

・ゾンビと乗り移り
 ゾンビは(少なくとも対策室の定義では)乗り移らない。噛みつかれる・引っ掻かれるなど、血液による直接的・物理的な接触があって、初めて犠牲者がゾンビ化するのだ。(正確に言うと、間に死亡という状態を経る場合が多い。)しかし、本作のように、宇宙生命体の乗り移り、つまり生前の知性の継承(古代のミイラが鍵開けの技術を!?)という状況が入ると、対策はかなり難しくなる。外傷もないままの乗り移りタイプが出始めたら、「遊星からの物体X」等を見習って、血液検査や銀歯の有無で判断するしかない。

・犬の存在
 犬を軽く見てはいけない。彼らの危機察知能力の高さは、人間ではかなわない。異常に興奮していたり、極度に怯えている時には、なにか異常事態が発生しているのである。特にゾンビの世界では、命に係わる重大な事態と思った方がいい。また、食事の時間に姿を現さないなど、いつもと違う行動にも注意が必要だ。その時点でデフコン5から3くらいに引き上げるべきだろう。

【評価】

ストーリー ★★★★
リアル度  ★
考察参考度 ★★★
ゾンビ知能 ★★★★
白目度   ★★★★★


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Back to top